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連載第3回/色々なポンプの使用方法(その1)

高級ボートに乗っていて便利なものと言えば、シャワー、ギャレー、ライブウェル(イケス)、トイレ、ウォッシュダウンポンプなどが挙げられる。 これらが気軽に使用できる事で居住性が向上しキャンピングカー並みの船上生活が可能になってくるのだ。 今回は、プレジャーボートで使用する代表的なアクセサリーポンプの様々な用途について数回に分けて解説しよう。 尚、ビルジポンプについては、前々回に解説をしたので省略することにする。

循環イケスシステム さて、プレジャーボートに乗っていると一度は試してみたい遊びのひとつにボトムフィッシィングやライトトローリングが挙げられる。 今回は、ボトムフィッシィングで使用すると大変便利なライブウェル(イケス)について解説しよう。 ライブウェルには、大きく分けて2種類あり、ひとつは、船底のスカッパーから海水を取り入れるシステムのもので国産艇のフィッシィングタイプに標準装備されている。(図1) もうひとつは、船底が2重構造になっている外国製フィッシングボートによくみられるタイプでポンプにより海水を循環させ酸素を効率よく供給する箱形のライブウェル(イケス)だ。 生きている活餌の保管や釣った魚を活かしておくこれらのシステムは、いつまで活きのいい新鮮な魚を維持するために必要不可欠と言えるアイテムだ。 では国産艇やランナバウト等に気軽に設置できる海水循環タイプのライブウェルはないものだろうか。

プレジェーボートに設置されたライブウェルは、見た目もカッコいいが新たに設置するとなると現実として難しい。 米国ではプレジャーボート用の後付けライブウェルキットをよく目にするが、日本ではあまり販売されていない様だ。 そこでクーラーボックスや、プラスチックペール缶を利用して自作してみよう。

  1. ライブウェル(イケス)本体/魚の大きさに応じて45L〜120Lのクーラーボックスまたはペール缶
  2. ライブウェル電動ポンプとスイッチ能力500程度のウォーターポンプ
  3. スルハル金具/船の底から海水を取り入れたり排出させる場合に必要
  4. ホース及びクランプセット/ポンプとライブウェルやスルハルに接続するのに必要
自作イケスキット内容 水面よりも上から水が放出される用に工夫すれば新鮮な酸素が常時供給されるので、長時間釣った魚を活きのいいまま持ち帰る事が可能になる。 海水を循環させたり酸素を供給したりできない普通のクーラーボックスに入れた魚は弱って死んでしまうのでその場合は氷漬けにする方法をとろう。 氷漬けにしておけば新鮮さが長持ちするぞ。 基本的に釣った魚はおいしく食べよう。 また、海水を循環させずにライブウェルだけの水を循環させる方法もある。 金魚の水槽と同じ原理だ。 その場合のポンプは、ビルジ排出用の能力500タイプポンプで簡単にできる。 クーラーボックスを使い底にビルジポンプを取り付けホースを水面より上に設置して作動させれば完了だ。 これなら持ち運びも便利だし自宅で作成することもできる。
  1. ライブウェルゅ(イケス)本体/魚の大きさに応じて45L〜120Lのクーラーボックスまたはペール缶
  2. 500ビルジポンプとスイッチ
  3. ホース(1m)及びクランプセット
これで君のボートは、本格的なフィッシングライフを堪能できる様になった。 さあ、「生け捕り大作戦」に出かけよう。

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代表的な手動式マリントイレ 次にトイレのポンプについて解説する。 長い時間洋上で寒い空気にさらされていると無性にトイレに行きたくなることが多い。 特に多人数の乗船の場合は、必要不可欠な設備と言える。 特に女性が同船している場合は、トイレがない旨を告げると怒られてしまう事もある。 トイレとは、オプションアクセサリーの中心に位置する最も重要なアイテムである。 今回は、国産艇のスモールボートにも装備可能なオプションのひとつであるスタンダードトイレとポンプについて解説しよう。 トイレは、人間が座れるスペースがあれば割と簡単に設置できる。 Vバースの中央に設置してある船も多い。 50cm×50cmの平面スペースがあればどんな船にも設置可能だ。

トイレのポンプ

トイレのポンプは、海水を汲み上げる本体のポンプには手動式ポンプと電動式ポンプの2種類がある。 本体のトイレには手動式いわゆる人力で作動させるものであり、自転車の空気入れの様に弁に圧力を加える事で水を送る方式のものである。 このポンプには、弱点がある。 それは無水時の弁の摩擦である。 陸置きしていた船を水面に降ろした後すぐにトイレを使おうとする者が結構いるが、焦ってポンプをスコスコやるとすぐにこわれる。 水面より高い位置に設置されているトイレの水は汲み上げて便器にくるまで数メートルのホースを通ってよじ登ってくるのだ。 掃除機の様に空気を勢いよく吸い上げても水は上がってくるものではない。 弁を痛めないためにもゆっくりと水の流れと同じ様な速度で10回位のポンピングをまるで井戸水を汲むかのごとくシュワーシュワーとやるのがコツである。 コックがしまっているかどちらかが考えられる。 私も当初、あわてて急いだためにポンプを壊してしまった苦い経験がある。 また、壊れる原因に汚水の流し方が悪い場合が多いので注意しよう。 排水口のホースの内径は4cm程度しかない。 だいたいご家庭の掃除機のホースを想像して頂ければ分かるはずだ。 水に濡れた数十枚のティッシュペーターを掃除機で吸ってみるとどうなるか。 まして手動式のトイレのポンプで力まかせにやってみたらどうなるか。 必ず詰まって汚水があふれでてくる。 さあ、女の子は大変だ。 マリン用トイレットペーパー 陸上のトイレの様に紙を多く使い過ぎて詰まらせた女の子数多く知っている。 私は常に船の上では数枚ずつ流しながら使用するように指導している。 また、最近ではマリントイレ専用のトイレットペーパーが販売されているので是非それを使用することをお薦めする。 手動式で女の子を困らせないためにどうしたらいいか。 手動式を電動式に変更するキット 電動式ポンプの設置である。 スイッチひとつで適切なポンプ力で水を汲み上げるのだ。 弁を壊す事もない。 焼き付きだけを注意すればいいのだ。 手動式から電動式への変更もドライバー1本、ユニットを交換するだけで簡単に取り付けられる。 ホースは手動式、電動式とも共通のものが多いので取り替える必要はない。 配線については、メーターパネルのアクセサリー予備スイッチを利用しよう。 トイレヘッドは、運転席メーターパネルの裏側に設置されている例が多いので比較的配線がしやすい。 補足としてトイレに小型ブロワー(換気扉)を設置することをお薦めする。 異臭を換気するばかりでなく湿気も排出するので是非あった方がいいぞ。

    ポイント
  1. 紙を多く使用しない。特に一般のティッシュペーパーやトイレットペーパーなど。
  2. 常時、流しながら使用する。
  3. あわてて急いでスコスコやらない。ゴム弁がこわれるぞ。
  4. 水がでるのを確認してから用を足す。使用後に水が出ないと大変だ。女の子は要注意!
さて、外国艇のトイレには必ず汚水タンクが設置されている。 米国においては、陸の近くで汚水を排出することは法律で禁止されているのだ。 汚水タンクの排出方法には2種類がある。 ひとつは、マリーナにある汚水専用のバキュームシステムを利用する方法だ。 どこのマリーナにも設置されておりリバースに戻った時に汚水を汲み取るシステムになっている。 どこから汲み取るかというと外国艇のデッキによくあるWASTEと書かれてあるキャップがそれの汲み取り口だ。 私が、以前、クルーに清水タンクに水をフルアップするよう指示した時、WASTEキャップを開け汚水を薄めた奴がいる。 誰でも間違いやすいので注意しよう。 もうひとつは、汚水タンクから船外に放出する方法だ。 マセレーターポンプと呼ばれる汚水排出専用のポンプで、汚水をモーターで粉砕し細かく砕いて放出する。 日本では、ほとんどがこのポンプで排出する事になる。 外国艇の場合、マセレーターポンプが壊れていると汚水が排出できないので中古艇を購入する際は、このポンプの作動を確認すること。 最近は汚水タンクを設置せずに直接排水にしている船も多いのでこの場合は少なくなった。

    トイレ設置に必要なパーツ
  1. トイレ本体+ポンプ(手動または電動)
  2. スルハル金具及びシーコックキット
  3. ホース及びクランプセット

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