プレジャーボートの種類は、大きく分けて排水艇と滑走艇の2種類が代表的な型であるが、滑走艇は、文字通り滑走(プレーニング)することで小さいエンジンで最高速を追求することが可能な形状をしている。
速く滑走状態(プレーニング)に入るためには、スタート時に大きな推進力を必要とする。
例えば30フィートクラスの場合は、約5トンの重量を水面に持ち上げなくてはならないのだ。
停止時からフルパワーで滑走状態までもっていくのに結構時間を必要とする。
また、この状態が一番燃料を必要とする。
プレーニングの時間が短くなればボートの燃費は向上することは間違いない。
そこで約30年前に発明されたのがトリムタブと云われるボートの翼である。
これを操作することで数段速くプレーニング状態に移行することが可能になる。
ガソリンエンジンに比べてディーゼルエンジンのように非力なエンジンを乗せているボートには、なくてはならないアイテムのひとつである。
国内外艇を問わず30フィートを超えるボートには、ほとんど標準装備されている。
人間でたとえれば、しゃがんで座った状態から立ち上がるのに両手を後ろにつくようなものと考えていただければなんとなく理解できるはずだ。
人間も船もお尻(スタン)が重たい。
そのお尻を足の力(エンジンの力)だけで持ち上げることもできるが、手を付く(トリムタブを効かせる)ことで足の力を抑えることができる。
また、それ以外にも走行の姿勢を制御したり、引き波を減少させたりといろいろ便利なアイテムでもある。
材質はアルミ材が多く配線を必要とする。
エンジンを停止させるとフラットの状態にもどるオートマチックスイッチもオプションで設定可能だ。
インボートや船内外機のエンジンに区別なくトランサムに設置できるため船を選ばない。
トリムタブの特徴
- 消費燃料の減少
- 低速時の走行姿勢の制御
- バウンディングの減少
- 引き波の減少
- 前方視野の操縦性の向上
- プレーニング状態までの時間短縮
使用上の注意
係留艇の場合、貝が付着すると効果が薄れると思われるので船底塗料を塗装するように。
また、トリムタブを降ろした状態で後進すると、姿勢制御どころか、負担がかかり操縦が大変になるので必ず上げた状態を確認してから後進することを申し添える。
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船外機の翼・ハイドロスタビライザー
さて、トリムタブを設置できない25フィート以下のボートはどうしたらよいか。
そういったボートには、スモールボート用に開発されたハイドロスタビライザーの装着をお薦めする。
このアイテムも特徴としてトリムタブ同様、プレーニングまでの時間を短縮させ、燃費を向上させる。
取り付けは簡単でドライブのスタビライザー部分に電動ドリルで4箇所程度穴を空けボルトで締める。
30分程度の作業で完了する。
25馬力〜250馬力程度のエンジンのドライブに装着できる流行ものである。
スキーチューブやスキーボードを引っ張る20フィートのボートに特に推薦する。
しかしその一方でトップスピードが若干落ちることもあるので頭に入れておきたい。
なお、旋回性能は気持ちだけ向上するようだ。
見た目はチャチだが効力は抜群だ。
ちなみに材質はプラスチックなどの合成樹脂製が主流である。
ハイドロスタビライザーの特徴
- 消費燃費の減少
- 低速時の走行姿勢の制御
- バウンディングの減少
- プレーニング状態までの時間短縮
- 装着が簡単
- 低馬力のエンジンにも使用可能
使用上の注意
トリムタブと違い固定式なのでドライブ自体を上下させてバランスを取るしかない。
水から上がる時に足をかけると割れる可能性があるので注意したい。
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