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連載第6回/デジタルコンパス
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ボート免許を取得する際にコンパスの読み方の実技試験があった。
「あの煙突の方位は」と聞かれたときの緊張感を覚えているはずだ。
数度単位の小型コンパスは、一目盛の誤差の影響が大きく30分も走ればとんでもないところに行ってしまうことになる。
霧が発生していた夏の東京湾での出来事
海図を持たずに佐島から横浜まで回航する初心者がいた。
三崎から東京湾に入ってからコンパスのみで航海しなければならないほどに霧が深くなってきた。
早速講習で覚えたとおりハンドコンパスを使用しながら東京湾を進んでいたところ、ぼやけた方向に陸が見えてきた。
これは横須賀だなと思っていたところ、実は館山だったなんていうエピソードもある。
彼らはガス欠寸前で横浜に着くことができたが判断を誤れば何処に行ったか分からない。
夜間や霧の中での航海にデジタルコンパスは必要不可欠なアイテムだ。
小さいコンパスや安定していない揺れるコンパスは、安価で手頃だが実際に航海に使用する場合は、大きく見やすいものを選びたい。
GPSやロランのない小型ボートで東京湾を横断しているときや霧中航海時など常にコンパスは活躍しているが、ボートが揺れたり跳ねたりすると読み方に誤差が生じる場合が少なくない。
夜ならば更に大変で視力の悪い方など近付けて見ないと全然分からないのが実情である。
現在はアナログからデジタルの時代である。
このところアメリカで流行っているデジタルコンパスがある。
デジタル表示される数字を保持すれば目的方位をより正確に捕捉できるはずだ。
これからは日本中でデジタル表示のコンパスが活躍するようになるだろう。
夜間でもライトがついているので従来よりも見やすく、目的の方位をセットすれば進路方向の誤差をインジケーターで表示でき、それを見ながら操船することで素早く楽に進路を補正できるものだ。
航路を頻繁に航海する方やクルージング主体の方には標準装備を期待したいもである。
ダッシュマウントタイプもあるのでメーター類と一緒に設置できる。
ひとつのパネルに全ての情報があることは自動車や飛行機に限らず操作性が向上する。
また、無駄な動きを最小限にすることは、燃料費の一番の節約方法である。
時計で見た場合、1分の角度は6度である。
たった1分の誤差でも1時間航行すれば目標地点から数キロ離れてしまう。
それは燃料で換算すれば数リットルから数十リットルと直接的かつ経済的なダメージとして現れてくる。
セーリングクルーザーのレースではあらゆる航行データのデジタル表示が常識でコンマ数度の誤差がレースの勝敗を左右することをイメージできれば結構である。
デジタルコンパスの特徴
- デジタル(数字)で進路方向を確認できる
- セットすれば方向を誤らずに進める
- 無駄な航行を防ぎ燃料費の節約ができる
- セーリングクルーザーではデジタルが常識
使用上の注意
デジタルコンパスは、電源を必要とするためバッテリーが上がってしまっては、能力が発揮できなくなるのでバッテリーのチェックはまめに行うこと。
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