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連載第8回/デジタル測深メーター
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数年前に20フィートの船内外機ボートを私の見知らぬ土地から回航する船に同船したことがあった。
そのオーナー船長はまだ免許年齢が若くボートを運転することだけで興奮していた。
聞いてみると初めて運転するらしい。
ちょっと不安を感じたが土地感がない私はすべてを船長にお任せした。
メーターを見ていると水温計が上昇している。
その瞬間、エンジンルームから白い煙が上がり何かのトラブルが発生した。
そこは川幅が数十メートルもある河川なのだが浅いらしい。
原因は、ドライブからへドロが冷却系統に入ったことでヘドロが冷却水路に詰まり水圧に耐えきれなくなったウォーターホースが破裂したものだと判明した。
はじめから水深が確認できていれば未然に防ぐことができた問題であった。
ちなみに修理は、エキゾーストマニホールドとエルボーをオーバーホールし丹念に泥を取り除く作業が続き思ったより高くついたようだ。
船内外機のドライブを何かに接触させるといろいろなトラブルの原因となる。
プロペラの損傷、冷却系統の詰まり(特にインペラー)、ロワーユニットの損傷、トリムシリンダーの損傷、スピードメーターの故障等挙げると結構ある。
河川や運河、三角州など海には海面からは想像もできないほど海底の地形が変化している。
よく魚群探知機を使い海底を確認しながら安全に航行する方法を見かけるが四六時中電源を入れておくのは、電力も使うし場所もとられる。
また、プロペラを損傷する原因の大半は、浅瀬や暗礁による損傷であることからも浅瀬の確認は重要であると云える。
やわらかいアルミペラは、一発ゴツンの接触で即交換となり、上架しての交換作業は決して安く済むものではない。
では、常温監視できる簡単にパネルをはめこめるメーター式の便利で手軽なアイテムは存在しないのだろうか?
そこでデジタル測深メーターである。
米国では、通称デプスサウンダーまたはデプスファインダーと呼ばれ、米国のスターンドライブ仕様のパッケージボートには標準装備されているものも多い。
あらかじめ自船の危険と思われる水深をセットしておく。
その水深になった時ブザーで運転者にその注意を促してくれる信頼できるアイテムだ。
発振する周波数は200kHzと一般的な魚群探知機と同じ性能で、測定できる最大深度は、約60メートルまでとコンパクトながら役立ちそうだ。
大きさは水温計や油圧計とほぼ同じくらいのデジタル式メーターで簡単な作業をすることでパネルオンが可能だ。
日曜大工の経験者なら設置方法は簡単。
センサーをトランサムにボルトオンし、センサーラインをメーターパネルとアクセサリー電源に配線するだけでOK。
これで浅瀬も怖くない!?
デジタル測深メーターの特徴
- コンパクトで特別なスペースを必要としない。
- メーターパネルに並べるだけ。
- 魚群探知機を必要としない船には必要最小限の投資で安全を確保できる。
使用上の注意
米国製品はフィート表示なので注意すること。
魚群探知機の代用はできません。
基本的にトランサムにセンサーを設置するので船首付近の深さは測定できません。
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